【5分でできる業界研究】建築・土木業界の最新動向と求められる人材・スキル

都市の再開発や保全工事、省エネ対策などで、今後も高い需要が見込まれる建築・土木業界。その一方で、DXや環境問題への対応が迫られており、継続的な技術革新によって設計・施工プロセスを刷新していく必要があります。

今回は、建築・土木業界の最新動向と求められている人材・スキルを解説し、建築・土木業界におけるトランスコスモスBPOサービスの取り組みについてお伝えします。

【2025年】建築・土木業界の最新動向

建築・土木業界は、住宅や商業施設、あるいは道路、橋梁、ダムなどのインフラを中心とした建造物の設計・建築・維持管理を担う業界です。私たちの生活になくてはならない建築構造物を手掛け、地域の活性化や経済発展を支えています。

国土交通省の「建設工事受注動態統計調査報告」によると、2024年の受注高(元受+下請は約121.5兆円で、前年度比9.9%増です。近年は住宅・インフラの新設工事に加えて、自然災害対策やインフラの老朽化対策といった保全ニーズの需要が高まっており、市場は堅調に推移すると予測されています。

環境への配慮

環境問題への取り組みは世界的な重要課題であり、建築・土木業界も例外ではありません。地球温暖化、廃棄物処理、森林破壊など、建築・土木業界が取り組むべき環境課題は多岐に渡ります。

脱炭素化(カーボンニュートラル)の実現のために、二酸化炭素排出量の少ない建材や再生材料の使用や、バイオ燃料・水素燃料の活用が推進されています。近年はCO2だけでなく、温室効果ガスや汚染物質の排出量をゼロにする「ゼロエミッション」にも注目が集まっており、資源のリサイクルによる循環型社会に取り組む企業も増えています。

また、2025年4月以降はすべての建築物で省エネ基準適合が義務化され、さらに2030年までにはZEH水準の基準が引き上げられる予定です(*)。高性能の断熱材や建材は一般的に高価で、書類作成や申請作業も複雑となるため、設計支援ツールやBPOを活用しながら柔軟に対応することが求められます。

*(出典:国土交通省|令和4年度改正建築物省エネ法の概要

BIM/CIMによる技術革新

BIM/CIMは「Building/Construction Information Modeling」の略称で、建設工事の設計・施工・維持管理などあらゆる工程の情報を内蔵した、3次元モデルのデータベースシステムです。建設設計の情報を一元管理し、正確かつ有効的な情報活用が可能となります。

大手建設会社ではBIM/CIMを活用して施工の自動化・省人化を実現する一方で、中小企業の導入率はまだ低いのが現状です。ソフトウェアなどの初期投資が高く、社内で教育ノウハウがないといったことが、導入のハードルが高い要因となっています。

2023年以降、小規模以外の公共工事ではBIM/CIMが原則適用となっています(*)。受注工事の幅を広げるためにも、建築・土木業界にとってBIM/CIMの活用は必須となるでしょう。

*(出典:国土交通省|令和5年度BIM/CIM原則適用の概要

AIやIoTなどを活用したデジタル化推進

BIM/CIMとデジタル技術は補完関係にあり、AIやIoTを活用することでさらなるパフォーマンス向上が見込めます。BIM/CIMのデータをもとにAIが自動設計を行ったり、IoTセンサーで取得した情報を3Dモデルにリアルタイムで反映したりと、さまざまな活用方法が考えられます。

中小企業でもシステムやツールの導入は進んでいるものの、デジタル化と紙ベースが混在していたり、工程が分断していたりと、課題も多いです。今後は部分的なIT化ではなく、各工程やシステム間をいかにシームレスにつなげていくかが課題となります。

建築・土木業界で求められる人材・スキル

DX化が進む建築・土木業界では、デジタル技術に対応できる人材が必要です。

BIM/CIMを活用し、3Dモデルを用いた設計・施工・管理や工事シミュレーションを行えること、またCivil 3DやRevitといったBIM/CIM対応ソフトを活用できることが求められます。BIM運用に伴い、BIMオペレーターの需要も拡大しています。

今後は、技術職、施工管理職、生産管理など各部門の専門知識と合わせて、IT・デジタル技術に関する知識を持つ「IT×専門分野」のハイブリッド人材が活躍するでしょう。技術に特化するだけでなく、業務効率や環境問題など幅広い視野を持つことが必要です。

トランスコスモスの建築・土木業界BPOの取り組み

建築・土木業界ではDX化が推進されている一方で、今も多くの企業が紙ベースや2D中心の業務を行なっており、デジタル人材の受け入れ・活用に適応できていないという現状があります。優秀なデジタル人材を活用できても、熟練の職人との意思疎通が難しいなど、スタッフ間のギャップも問題です。

トランスコスモスのアーバンソリューションサービス本部では、建築・土木業界の知識とIT知識を掛け合わせ、工事プロセス全体の最適化をトータルサポートしています。商業施設から住宅、土木領域まで、幅広い領域の設計から施工、維持管理を支援できるのが特徴です。

BIM/CIMは、導入コンサルティング、モデリング、データ活用を細やかにサポート。ICTツールや各種書類のデジタル化も並行して、早期投資コスト回収・工期の短縮を実現します。現場への負荷を抑えつつ、情報連携の強化、品質向上、コスト削減を叶え、建築・土木業界のDX変革をサポートします。

まとめ|「業界知識+デジタル人材」でお客様企業の競争優位性を高める

脱炭素・持続可能性といった環境問題への取り組みも求められる今、建築・土木業界は大きな変革期を迎えています。

トランスコスモスの建築・土木業界BPOでは、BIM/CIM、3DCADやICTツールを活用し、申請・設計・施工・維持管理の業務改革を促します。社会的なニーズや法改正にも柔軟に対応し、お客様企業の発展と持続可能な都市開発を支援します。

建築・土木業界で施工管理や設計を経験したことのある方は、知見を活かして働けます。最新のテクノロジーも学べるトランスコスモスのBPOサービスで、さまざまな企業のものづくりのプロセスを改善する仕事にチャレンジしてみませんか?興味がある方は、トランスコスモスの求人情報をご確認ください。

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