【5分でできる業界研究】IT業界の成長領域・サービスと注目職種

生成AIやクラウドの進化によって、IT業界のサービスのあり方は変わり続けています。IT業界で働きたい方、エンジニアとしてキャリアアップを図りたい方は、技術やサービスのトレンドを押さえて、自分がどんな分野に関わりたいかを明確にしておくといいでしょう。

今回は、IT業界で成長しているサービスと注目の職種を、ピックアップします。未経験からこの業界にチャレンジしたい方や、営業からエンジニアなど業界内転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 IT業界の成長領域・サービス

IT業界は変化が速く、常に新しいトピックが登場しています。ここでは、ここ数年で注目度が高まっているIT業界の成長領域を3つ取り上げます。

DX推進やデジタル化で評価が高まるSIer

SIer(エスアイヤー)とは、System Integrator(システムインテグレーター)の略称で、企業や団体の業務課題を解決するため、ITシステムの企画・設計・開発・運用・保守を請け負う企業の総称です。「技術の進化で企業の内製化が進み、SIerは不要になるのではないか」といわれた時期がありましたが、DX、AI、クラウド、IoTなどの関連技術の急速な進化と、エンジニアの慢性的な採用難によって、総合力を再評価されています。

企業のDX推進やデジタル化、新たなビジネスの立ち上げにおいては、高度なIT知識と技術、遂行力が必要であり、それらを一括して提供できるSIerのニーズが高まっています。SIerには、主に3つの種類があります。

  • 独立系SIer:親会社を持たず、独自でシステム開発やインフラ関連の案件を受注する。自社完結のため柔軟性が高いのが特徴。
  • メーカー系SIer:ハードウェア・情報機器メーカーの子会社。自社製品と連携したシステム開発やインフラ提供を強みとする。
  • ユーザー系SIer:大手企業(保険、銀行など)のシステム開発部門が独立したSIer。親会社向けの業務をメインに手がける。

トランスコスモスは、システムインテグレーションとBPOサービスによって企業の課題解決を支援しており、「独立系SIer」のメリットを持つサービスプロバイダーといえるでしょう。メーカー系、ユーザー系と比べると、請け負うプロジェクトの幅が広く、多種多様な業界・企業に対して柔軟な提案ができるのが強みです。

クラウドサービス

クラウドとは、自社でサーバやソフトウェアを保有することなく、ネットワーク上でストレージ、アプリケーションなどのリソースを共有して利用できる仕組みです。

クラウドサービスは、従来のサーバ構築や保守にかかる費用を大幅に削減でき、コストパフォーマンスに優れています。事業の成長度合いに応じて、サービスの拡大・縮小を柔軟に行えるのも特徴のひとつです。

AWSがパブリッククラウドを提供し始めたのは2006年。利便性、拡張性、安定運用などのメリットが評価され、小規模企業者のサービス立ち上げなどで一気にマーケットが広がりました。DXに取り組む企業が増えてからは、自社のシステムをクラウドに移行する動きが増えています。

近年は、セキュリティやコンプライアンスの観点から、マルチクラウドとハイブリッドクラウドが注目されています。マルチクラウドは、複数のクラウドプロバイダーを統合的に利用することで、最大のメリットはリスク分散です。

ハイブリッドクラウドはオンプレミスとクラウドを連携させること。機密性の高い情報をオンプレミスで管理し、機動力が求められる機能を低コストのパブリッククラウドで活用する「いいとこ取り」の戦略です。

さらにここ数年は、インフラの管理をクラウドプロバイダーに託す「サーバーレスアーキテクチャ」によって、開発のスピードアップやコスト削減を志向するプロジェクトが増えています。多様化するクラウドのマーケットは今後も成長していく見通しで、対応できる領域が広い技術者が求められています。

サイバーセキュリティ

サイバー攻撃の手法が巧妙化・高度化していくなかで、情報セキュリティ対策のニーズも増え続けています。DXを成功させるうえでも、サイバーセキュリティ対策は必須条件といえるでしょう。

IPAが1月に発表した「情報セキュリティ10大脅威 2025」によると、組織に対するアタックのなかで社会的に影響が大きかったのは、「ランサム攻撃による被害」「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」「システムの脆弱性を突いた攻撃」「内部不正による情報漏えい等」の順となっています。

クラウドサービスやIoTの普及や、テレワーク・リモートワークの浸透もサイバー攻撃の増加の背景となっています。適切な対策を行なわなければ、顧客や取引先の信頼を失うことになりかねず、サイバーセキュリティ関連サービスのマーケットは急成長を遂げています。

IT業界の注目職種

IT関連サービスのトレンドをふまえて、注目されている職種を紹介します。

AI・クラウド・セキュリティ関連エンジニア

DXを進める上で、専門分野に特化したシステムエンジニア・インフラエンジニアの需要が高まっています。開発系ではAIエンジニア、インフラ系ではクラウドエンジニアが注目されており、セキュリティエンジニアも求人が増えている職種です。

AIエンジニアは、AI(人工知能)技術を活用し、機械学習モデルやAIシステムの設計・開発・運用を行うエンジニアです。AI市場は急激に拡大しており、今後も高い将来性が見込まれています。

インフラエンジニアのなかでも、クラウド環境の設計・構築・運用・保守を担うエンジニアの求人ニーズが高まっています。求人情報サイトなどで、クラウドエンジニアと書かれた求人を見かけた方もいるでしょう。

SIerやBPOサービスで高く評価されるのは、サーバ、ネットワーク、データベースなど幅広い領域をカバーするエンジニアや、インフラ関連の知識・スキルがあるWeb系のバックエンドのエンジニアです。

セキュリティエンジニアは、企業や組織をサイバー攻撃や不正アクセスの脅威から守る専門職です。セキュリティシステムの設計や運用のほか、脆弱性診断やセキュリティ対策も実施し、攻撃を未然に防ぐための処置も行います。また、事故発生時には迅速にインシデント対応を行うなど、多岐にわたるセキュリティ業務を担います。

データサイエンティスト

データサイエンティストとは、膨大なデータから必要な情報を抽出し、事業の課題解決や意思決定を支援する職種です。ビッグデータの活用による新サービスの立ち上げや業務課題解決、DX推進においてデータサイエンティストの活躍が期待されています。

データサイエンティストは、エンジニアのキャリアパスとしても有力です。Pythonを用いたアプリケーション開発やアルゴリズム開発などの経験を活かすことができます。

IT知識だけでなく、データを正しく理解するための統計学や、分析結果をわかりやすく伝えるためのプレゼンテーションスキルも求められます。エンジニアとマーケターの両方のスキルが必要な仕事といえるでしょう。

まとめ|IT業界で働くならトランスコスモスのBPOサービスに注目

IT業界では、SIer、クラウドサービス、サイバーセキュリティなどの需要が高まっており、より高度な専門性を持つIT人材の活躍が求められています。AI、クラウド、セキュリティなどの専門人材は慢性的に不足しているため、システムエンジニアやインフラエンジニアが今後のキャリアパスを考えるうえで、有力な選択肢となるでしょう。

DXやデジタル化、クラウド活用などの案件で求められるのは、専門人材ばかりではありません。SIerやBPOサービスでは、プロジェクトを統括できるマネジャーや、チームのリーダーの求人も増えています。

トランスコスモスのBPOサービスでは、企業のDXを支援するプロジェクトマネージャーや、インフラの最適運用を実現するリーダー・マネジャー・スーパーバイザーなどの育成に注力しています。多様な技術を用いて、システム開発や運用の改善を図るサービスを提供していくなかで、業界特化の知識や、最新の技術に関する知見を深めることができます。

トランスコスモスのBPOサービスは、国内外のさまざまなお客様企業に関わり、プロジェクトマネジメントやチーム運営の経験を積み上げることができます。将来性があるサービスで技術やノウハウを磨いていきたい方、マネジメントにチャレンジしたい方は、採用サイトをチェックしてみてください。

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