事務職とIT人材のニーズが高まる建築・土木業界の採用トレンド

建築・土木業界では、労働人口の減少や働き方の変化により、事務職やITスキルを持つ人材のニーズが急速に高まっています。BIM/CIMやIoTといったテクノロジーの活用が進み、求められる人材の基準も徐々に変化しています。

今回は、建築業界・土木業界の最新の採用トレンドを紹介するとともに、今注目を集めるBPOサービス、そしてトランスコスモスの取り組みについて紹介します。

1. 建築・土木業界では事務職とIT人材の需要増

建設・土木業界は景気の影響を受けやすいものの、新設工事から保全工事、再開発まで需要が幅広く、比較的安定した業界です。これまでの建築・土木業界では、作業員や施工管理職といった現場で働く人材に需要が偏る傾向がありました。しかし近年では、現場を支える事務職や、設計・施工データを扱うIT人材の重要性が高まっています。

この背景には、次のような要因があります。

  • 人材不足の深刻化

他業界と比べても、建築・土木業界は人手不足が深刻です。就業者は年々減少しており、2022年にはピーク時の1997年に比べて約30%も落ち込んでいます。また、建設業就業者の約4割が55歳以上であり、高齢化と技術承継も大きな課題です(*1)。

  • 働き方改革の推進

2024年4月の労働基準法改正により、建設業でも時間外労働の上限規制(は原則月45時間・年360時間)が設けられました。さらに、国の直轄工事や地方公共団体の工事では週休2日モデル工事の拡大も進んでいます。(*2)

  • IT技術の普及

すでに大手ゼネコンを中心にDX化が進んでおり、BIM/CIMやドローン、VR技術などの活用が拡大しています。設計から施工、維持管理までのすべての工程にデジタル技術が導入されており、人手不足や働き方改革への対応にも大きな効果を発揮しています。

建築・土木業界で企業が成長していくには、デジタル技術やAIを活用したDXが欠かせません。事務職やIT人材には、データ管理や業務効率化の担い手として、現場の生産性向上と持続的成長を支えることが期待されています。

(*1)出典:国土交通省|建設業を巡る現状と課題

(*2)出典:厚生労働省|建設業・ドライバー・医師の働き方改革総合サイト はたらきかたススメ

2. BIM/CIMを活用できる人材が活躍

建築・土木業界に大きな変革をもたらしているのが、BIM/CIM(Building/Construction Information Modeling)です。

BIM/CIMは、従来の二次元データを3Dモデルへ置き換え、工程・コスト・材料などの情報を統合的に管理する仕組みです。設計段階から施工、維持管理までのすべての工程を効率的に進めることができ、正確な情報共有や手戻りの削減、現場作業の効率化を実現します。

しかし、このBIM/CIMを有効的に活用できる人材はまだ少なく、多くの企業で育成・採用が課題となっています。

特に求められているのは、次のような特徴を持つ事務職・IT人材です。

  • CADや3Dモデリングソフトを扱える技術者
  • データを活用して設計・施工を最適化できるエンジニア
  • 発注者や現場と調整し、BIM/CIMを業務に落とし込める人材

単にBIM/CIMを扱えるだけでなく、データマネジメントを行い情報を有効活用できる力が求められます。また、建築・土木業界では、多様な専門職や部署が連携してプロジェクトを進めるため、チームワークを重視するコミュニケーション力も重要です。

3. DX推進人材は人手不足

建築・土木業界のDXは国を挙げて推進されており、BIM/CIMも代表的な取り組みのひとつです。このほか、電子契約や電子納品、ドローン測量、クラウド型施工管理システムの導入なども広がっています。

しかし、高性能なシステムを導入しても、現場社員が十分に使いこなせず、運用が定着しないケースも少なくありません。このため、現場とシステムをつなぐ役割を担うDX人材の需要が高まっています。

DX人材の確保については、主に2つのパターンがあります。ひとつは、現場経験者がデジタル技術を学び直して活用するケース。もうひとつは、IT業界出身者が建設分野に転職するケースです。しかし、前者は既存社員への負担が大きく、後者は業界の専門領域や実情を理解するまでに時間がかかるといった課題があります。そこで注目されているのが、建築・土木業界に専門的知見を持つBPOサービスの活用です。

4. BPOサービスのニーズが急増中

建築・土木業界のDX推進の解決策として注目されているのが、BPOサービスです。近年のBPOサービスは、単なる事務業務の外部委託にとどまらず、最新のIT技術を活用して業務プロセス自体を最適化し、DX化を同時に実現できる点が大きな特徴です。

建築・土木業界でBPOを活用することには、次のようなメリットがあります。

  • 現場の負担を軽減し、働き方改革を推進できる
  • DX人材の採用・育成にかかるコストを削減できる
  • 専門スキルを持つスタッフが対応することで、業務精度が向上する
  • 人材不足とDXを両方から進められる

BPOの導入によって現場の生産性が高まることで、企業全体の競争力強化につながります。プロジェクトの短期化やコスト削減が可能になるだけでなく、蓄積されたデータを分析・活用し、将来の設計・施工の精度向上や新規事業の開発に活かすことも可能です。

5. 建築業界・土木業界のDXを加速させるトランスコスモスBPO

トランスコスモスのBPOサービスのアーバンソリューション本部では、住宅・建設・設備・インフラなどの幅広い分野において、業務効率化とDX化を支援しています。設計・施工・アフターメンテナンスまでのプロセスをIT技術で最適化し、BIM/CIMの導入やモデリング、活用までを一貫してサポート。現場とオフィスの情報連携を強化し、企業の生産性向上と品質確保を実現します。

アーバンソリューション本部では、建築設計エンジニア、BIM/CIMエンジニア、施工管理バックオフィスなど、多様なポジションで人材が活躍しています。入社後は基礎研修からスタートし、設計やCADシステム開発、BIMモデリングなどの実務を段階的に経験できるため、建築・土木の現場経験がない人でも着実にスキルを習得することが可能です。

今後ますます事務職・IT人材の需要が高まる建築・土木業界で、技術力の高い専門人材として活躍したい人は、ぜひトランスコスモスBPOでキャリアを築きませんか? トランスコスモスのBPOサービスの採用サイトでは、転職者インタビューや多様なBPOサービスについて紹介しているので、ぜひご覧ください。

⇒採用サイトをチェック
⇒求人情報はこちら
⇒建築・土木のサービスの事業・仕事・キャリアをチェック