建設・土木業界では、BIM/CIMをはじめとするデジタル技術の活用が広がっています。
近年は、3次元モデルを作成するだけでなく、現場の写真や図面、工程、検査結果などの情報をデジタルで共有し、離れた場所からでも工事の状況を把握できる環境づくりが進んでいます。こうした仕組みの構築・運用を支える役割として注目されているのが、BPOサービスです。
本記事では、建設DXによって進む現場の「見える化」と、建設・土木分野でBPOが果たす役割について紹介します。現場経験を活かしたキャリアアップを考える方は、ぜひご覧ください。
建設DXは「現場全体の見える化」へ
建設DXを代表する取り組みのひとつが、BIM/CIMです。
BIM/CIMでは、建設事業で扱う情報をデジタル化し、調査・測量・設計・施工・維持管理といった各工程でデータを共有・活用します。国土交通省では、2023年度から小規模なものなどを除くすべての直轄土木業務・工事にBIM/CIMを原則適用しています(*1)。
BIM/CIMの活用が広がるなかで、重要になっているのが、作成した3次元モデルや各種データを、その後の工程でどのように活かすかという視点です。工事全体を通して情報をつなぎ、現場の状況を把握しやすくすることが求められています。
国土交通省の「i-Construction 2.0」では、2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割、すなわち生産性を1.5倍に高めることを目標としています。その柱となるのが、「施工」「データ連携」「施工管理」のオートメーション化です。2026年度は、AI活用や本格運用・原則化に向けた取り組みも進められています(*2)。
建設DXは、現場で発生するさまざまな情報をつなぎ、進捗や施工状況、課題などを把握しやすくする方向へと進んでいます。現場全体を「見える化」し、その情報を施工や管理に活かしていくことが、これからの建設DXではより重要になっていくでしょう。
*1 令和5年度BIM/CIM原則適用について|国土交通省
*2 i-Construction 2.0 ~建設現場のオートメーション化~|国土交通省
遠隔支援で施工管理の働き方も変わる
施工管理というと、実際に現場へ出向き、工事の進捗や品質、安全を確認する仕事をイメージする人も多いでしょう。
しかし現在は、デジタル技術の活用によって、離れた場所から現場の状況を確認・共有できる環境が整いつつあります。
たとえば施工管理アプリを使えば、図面や写真などをクラウド上で管理し、工事の進捗を関係者間で共有できます。現場で集めた情報を一元化することで、別の拠点にいる担当者も状況を把握しやすくなります。
遠隔臨場も、こうした取り組みのひとつです。
国土交通省では、Web通信を活用し、監督職員が現場へ出向かずに段階確認や立会、材料確認などを行う遠隔臨場を2022年度から本格的に実施しています。試行では、現場への移動時間や、立会に伴う受注者の待ち時間が短縮される効果も確認されました(*3)。
さらに、360度カメラやドローン、IoTなどを活用し、現場の状況をデータとして把握する取り組みも広がっています。360度カメラの映像から施工状況を確認したり、ドローンで撮影・点検を行ったり、IoT機器から必要なデータを収集したりと、現場を確認する方法は多様になっています(*4)。
技術が広がることで、施工管理の仕事も、現場と遠隔を組み合わせて管理する形へと変わりつつあります。
*3 建設現場における「遠隔臨場」を本格的に実施します|国土交通省
*4 建設分野におけるドローン活用・開発促進ガイドブック|国土交通省

建設DXでBPOが果たす役割
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は、企業の業務プロセスの一部を外部に委託する仕組みです。建設分野でも活用が広がっており、BIM/CIMの活用支援や施工支援、ICTツールの導入・運用など、さまざまな業務を外部から支えるサービスが生まれています。
たとえば、施工管理に伴うデータ整理や書類作成など、現地にいなくても対応できる業務をBPOセンターに集約すれば、現場の負担を軽減できます。その分、施工管理者は安全管理や品質管理、協力会社との調整など、現場での判断や対応が必要な仕事に時間を充てやすくなります。
ICTツールを現場で活用するための環境づくりも、BPOが担える領域のひとつです。写真や進捗情報をクラウド上で共有したり、入力方法やデータ形式を統一したりすることで、必要な情報を確認しやすい状態をつくります。複数の現場から集まるデータを整理し、状況を把握しやすくすることも可能です。
現場の情報が見えるようになれば、進捗の遅れや業務上の課題にも早い段階で気づきやすくなります。建設分野のBPOサービスは、業務の進め方を整理し、デジタル技術を活用しやすい環境を整えることで、現場の生産性向上や建設DXの推進を支える役割も担っています。
現場を知っている人ほどBPOで経験を活かせる
建設DXでは、単に新しいシステムやツールを導入すればよいわけではありません。実際の業務を踏まえて、現場に無理なく定着させる方法を考える必要があります。
そこで強みとなるのが、施工管理や設計などで培った現場経験です。「この作業は別拠点でも対応できる」「この入力方法では現場の負担が大きい」「この情報は早めに共有したほうがいい」といった判断は、現場の仕事を知っているからこそできることです。
トランスコスモスのアーバンソリューションサービス本部では、建築・土木の知識とIT技術を組み合わせ、設計から施工、維持管理まで幅広く支援しています。
設計領域では、BIM/CIMの導入コンサルティングやモデリング、データ活用などを提供しています。施工領域では、BIMやICTツールを活用した品質管理やデータマネジメントをはじめ、ICTツールの企画・開発支援から導入、運用定着までをサポートしています。
施工管理や設計で身につけた知識を土台に、複数のプロジェクトを支援したり、ICTツールの導入や業務改善に携わったりすることができます。さらに経験を重ねれば、チームをまとめたり、プロジェクト全体を管理したりと、マネジメントへ仕事の幅を広げていくことも可能です。
まとめ|建設・土木の経験を活かしてDXを支える仕事へ
トランスコスモスでは、BIM/CIMやICTツール、データ活用、施工現場の遠隔支援などを通じて、建設・土木分野のDXを幅広く支援しています。
施工管理や設計で培った知識や現場感覚を活かしながら、新しい技術や業務改善に関わることができます。建設・土木の専門性をさらに高めることはもちろん、複数のプロジェクトに携わりながら、仕事の幅を広げていくことも可能です。
ゆくゆくは、チームリーダーやプロジェクトマネージャーとして、メンバーをまとめたり、プロジェクト全体を動かしたりするキャリアもあります。
ぜひトランスコスモスのBPO部門採用サイトで、仕事内容や現在募集中の求人をチェックしてみてください。