組込み開発では、プログラミングをはじめ、製品開発に関わるさまざまなスキルを身につけることができます。その経験を活かし、スペシャリストとして専門性を高めるほか、プロジェクトマネージャーやIoT・ソフトウェア開発などへキャリアを広げることも可能です。
特に20代は、経験を積みながら、自分の得意分野や興味のある領域を見つけていく時期です。本記事では、20代の組込み開発エンジニアに向けて、代表的なキャリアパスと、将来の選択肢を広げるために今から意識しておきたいことを紹介します。
組込み開発エンジニアのキャリアパス
製品のIoT化やソフトウェア化が進む現在、組込み開発で培った知識を活かせる領域は広がっています。スペシャリストをめざすだけでなく、プロジェクトマネジメントに進んだり、IoTやクラウド、アプリケーション開発などの周辺領域へスキルを広げたりすることも可能です。
ここでは、組込み開発エンジニアからめざせる代表的なキャリアパスを紹介します。
組込み開発のスペシャリスト
まず挙げられるのが、現在の専門性をさらに深めていくルートです。
制御技術や車載ソフトウェア、リアルタイムOS、モデルベース開発(MBD)など、自分の得意分野を磨き、より難易度の高い設計や技術判断を担えるエンジニアをめざします。
長く開発の現場に携わりたい人や、特定の技術を追究していきたい人に向いているキャリアといえます。
プロジェクトマネージャー
組込み開発の経験を活かし、チームやプロジェクトを動かすプロジェクトマネージャーへ進む道もあります。
プロジェクトマネージャーは、スケジュールや品質、コスト、人員、課題などを管理しながら、メンバーやお客様と調整し、プロジェクトを成功に導く仕事です。
組込み開発の現場経験があれば、技術上の課題や開発に必要な工数を踏まえて、無理のないスケジュールを組んだり、エンジニアとお客様の間に立って調整したりできます。技術への理解を持ちながら、プロジェクト全体を俯瞰して判断できることは、プロジェクトマネージャーをめざすうえで大きな強みになるでしょう。
IoT・ソフトウェア開発
組込み開発から、IoTやソフトウェア開発へ領域を広げることもできます。
IoTでは、センサーや機器から取得したデータをネットワーク経由でクラウドへ送り、分析したり、アプリケーションから機器を制御したりします。ハードウェアの特性やデバイス側の制御を理解している組込み開発エンジニアは、機器とシステムをつなぐ開発でも経験を活かしやすいでしょう。
さらに、クラウドやネットワーク、Web・アプリケーション開発の知識を身につければ、デバイスだけでなく、クラウドやアプリまで含めた開発へと活躍の場を広げられます。
フルスタックエンジニア
特定の技術や工程に限定せず、幅広い領域に対応できるフルスタックエンジニアをめざす道もあります。
組込み開発では、ハードウェアの特性を理解しながらソフトウェアを設計する力が身につきます。そこにクラウドやアプリケーション、データベースなどの知識を加えていけば、デバイスからサービスまでを広い視点で捉えられるようになります。
すべての技術を一度に身につけようとするのではなく、まずは自分の得意分野を軸にしながら、周辺領域へ少しずつ対応範囲を広げていくことがポイントです。
コンサルタント
要件整理や顧客折衝、課題分析、業務改善などの経験を積むことで、技術コンサルタントやDX支援などへキャリアを広げることもできます。
コンサルタントに求められるのは、お客様が抱える課題を把握し、「どの技術を、どのように活用すれば解決できるのか」を考え、提案する力です。組込み開発で培った技術への理解は、ものづくりの現場に合った解決策を考えるうえでも強みになります。
別業種の開発エンジニア
家電、産業機器、医療機器、通信機器、航空・宇宙など、さまざまな分野で組込み技術が活用されています。
業界が変われば、扱う製品や開発環境も変わります。一方で、制御や通信、組込みソフトウェア開発など、これまで身につけてきた知識を活かせる場面も少なくありません。
現在の担当製品だけで将来を考えるのではなく、「自分の経験は、ほかの業界でどう活かせるか」という視点を持つことで、転職やキャリアチェンジの選択肢も広がります。

20代のうちに考えておきたい3つのこと
20代のうちから少しずつ経験の幅を広げておくと、将来のキャリアの選択肢を増やすことができます。ここでは、キャリアを考えるうえで意識したい3つのポイントを紹介します。
自分が得意な工程や技術を知る
まずは、自分の強みを整理してみましょう。
同じ組込み開発でも、要件定義や設計が得意な人もいれば、コーディングに面白さを感じる人、ハードウェアとソフトウェアを横断して考えることが得意な人もいます。自分に合ったキャリアを考えるためにも、携わった製品だけでなく、「どの工程を担当し、何ができるようになったか」まで振り返ることが大切です。
これまでの経験やスキルを書き出してみると、自分の強みが整理され、今後伸ばしたい領域も見えてきます。
上流工程やマネジメントにも目を向ける
20代のうちは、プログラミングや設計などの技術を身につけることに意識が向きやすい時期です。しかし、将来プロジェクトマネージャーやリーダーも視野に入れている場合は、「開発全体を見る経験」を増やしておくとよいでしょう。
後輩への指導やレビュー、進捗確認、他部署との調整、お客様との打ち合わせなどは、将来のマネジメントにつながる経験です。
若いうちからチーム全体の動きや周囲との連携を意識することで、プロジェクトを広い視点で捉える力も身につけられます。
組込みの外にある技術にも触れる
組込み技術だけでなく、周辺領域にも目を向けておきましょう。製品のソフトウェア化やネットワーク化が進むなか、組込み開発でもクラウドやアプリケーション、データ活用など、ほかの技術領域と関わる機会が増えています。
すべてを専門的に学ぶ必要はありませんが、周辺技術の基礎を知っておくと、担当できる仕事の幅が広がり、新しい分野へ挑戦するときにも役立ちます。
Pythonを学ぶ、クラウドサービスに触れる、ネットワークの基礎を身につけるなど、現在の専門分野に近いところから少しずつ学んでおくと、将来の選択肢を増やすことにつながります。
BPOで経験の幅を広げるという選択肢
組込み開発エンジニアがキャリアの幅を広げる方法のひとつとして、BPO企業で働くという選択肢があります。
BPOとは、企業が自社で行っている業務プロセスを、専門的なノウハウを持つ外部企業へ委託する仕組みです。製造業では、設計や開発、検査・検証など、ものづくりに関わる幅広い業務がBPOの対象となっています。
BPO企業で働くメリットは、ひとつの会社や製品にとどまらず、異なる業界やプロジェクトを経験できることです。プロジェクトごとに扱う製品や課題が異なるため、さまざまな経験を積みながらスキルの幅を広げることができます。
お客様企業と直接やり取りする機会もあり、経験を積むことで、要求分析や要件定義などの上流工程に携わることも可能です。さらに、メンバーの育成や進捗・品質の管理などを担い、リーダーやプロジェクトマネージャーへとマネジメントのキャリアを進む道もあります。
20代のエンジニアにとって、多様な技術や工程に触れることは、自分の強みや進みたい方向を考えるうえでも貴重な機会になります。さまざまな企業のプロジェクトを通じて技術力を磨き、上流工程やマネジメントにも挑戦できるBPO企業は、将来のキャリアを考えるうえでひとつの選択肢になるでしょう。
まとめ|トランスコスモスで組込み開発の経験を次のキャリアへ
トランスコスモスのエンジニアリングトランスフォーメーションサービス本部では、製造業の「ものづくり」から「ことづくり」への変革を支えるため、ソフトウェア設計をはじめとする幅広いエンジニアリングサービスを展開しています。
自動車や家電、通信機器、産業用ロボットなどの組込みソフトウェア開発に加え、動作確認や機能の検査・検証、Matlab/Simulinkを用いたモデルベース開発(MBD)など、さまざまな業務に携わることができます。
経験を積んだ先には、プロジェクトマネージャーとしてメンバーの育成やプロジェクト運営を担う道や、幅広い技術領域に対応するフルスタックエンジニアをめざす道もあります。異なる業界や工程を経験しながら、自分の得意分野を深めることはもちろん、新しい技術領域へ挑戦することも可能です。
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